職場内恋愛





『えっ?!ホントですか??

おめでとうございます!!』


思わず大きな声が出る。

でも楠木先生は気にしてないようで。



『藤堂先生のおかげですよ、ホントに。

あのとき藤堂先生が背中を押してくれなかったらどうなってたか分かりませんよ』


ふっと笑う楠木先生。



『そんな…

ただ俺は思ったこと言っただけですから。』


俺は顔の前で手を横に振る。



『ホントに感謝してます。

結婚式には必ず呼びますから!


と、いうか彼女に頼まれまして…』


えへへ、と照れ笑いを浮かべる楠木先生。



幸せいっぱいの笑顔で。

あんな笑顔、今の俺にはできないな。



『結婚、おめでとうございます』


いつか、俺もそう言ってもらえる日がくるのだろうか。



そのときは、キミに隣にいてほしい。

きっと…願うはずもない未来だろうけど。









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