職場内恋愛





「え?!伊藤先生、フラれたんですか?!」


『や、山崎先生!声、デカイですよ』


次の日

秘密の場所で涼のことを山崎先生に話した。



「あ、すみません…

つい興奮しちゃって。


でもどうして伊藤先生がフラれるんですか?

とてもフラれるようには見えないですよ?」



『いろんな混み合った事情があるみたいです』


とても本当のことなんて言えないだろ。



「そうですか…

これは私にチャンスが巡ってきた、ってことですよね?」



『まあ…そう、じゃないですか?』


涼のことを好きな山崎先生にとってはたぶん、相当なチャンスだ。

涼はここんとこ、落ち込み気味だし。



「私、頑張りますよ!

もう歳が歳ですし、きっとこれが最後の恋愛になると思うんです」


そう言った山崎先生の目は真剣で。



『俺は応援してます!絶対、涼を口説き落として下さいね』


俺と山崎先生は目を合わせ、笑い合う。

これから起こる、出来事など知るはずもなく。







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