職場内恋愛




奈々は俺の隣のクラスの担任。

そのせいで職員室の席の配置は俺の横が奈々。


奈々は何食わぬ顔で資料をまとめている。


俺の仕事ははかどらない。



今にも言ってしまいそうだ。



『まだ俺は好きなんだ』

って。


ここが学校だと、

ここが職場だということを忘れて言ってしまいそうなんだよ、奈々。



俺…大人にならないといけないよな。


そんなこと、分かってる。

頭で理解していても体はそんなに簡単に従ってはくれない。


落ち着かなくて俺は席を立つ。



始業式まであと20分。


タバコ吸って、キモチを落ち着かせよう。

それだけの時間は、十分にある。


俺は心の中で呟き、職員室を出た。


席を立つとき、一瞬だが奈々と目があった。


あの頃と何も変わっていなかった。

そう思ったのは…俺の気のせい…?









< 278 / 425 >

この作品をシェア

pagetop