職場内恋愛
奈々は俺の隣のクラスの担任。
そのせいで職員室の席の配置は俺の横が奈々。
奈々は何食わぬ顔で資料をまとめている。
俺の仕事ははかどらない。
今にも言ってしまいそうだ。
『まだ俺は好きなんだ』
って。
ここが学校だと、
ここが職場だということを忘れて言ってしまいそうなんだよ、奈々。
俺…大人にならないといけないよな。
そんなこと、分かってる。
頭で理解していても体はそんなに簡単に従ってはくれない。
落ち着かなくて俺は席を立つ。
始業式まであと20分。
タバコ吸って、キモチを落ち着かせよう。
それだけの時間は、十分にある。
俺は心の中で呟き、職員室を出た。
席を立つとき、一瞬だが奈々と目があった。
あの頃と何も変わっていなかった。
そう思ったのは…俺の気のせい…?