職場内恋愛





「おかえりなさい!藤堂先生!」



『……なんで山崎先生もいるんですか…』


窓際にあるイスにテーブルを挟んで向かい合っている涼と山崎先生。

机の上にはなぜかミニ将棋盤。



「ちょうど勝負が終わったところだったんでナイスタイミングです!

と、いうワケで私は部屋に戻りますね~」


山崎先生はスキップでもしそうな勢いで部屋を出て行った。

さっきまで山崎先生が座っていたイスに座り机の上の将棋盤に目を走らす。



『涼…こりゃあ悲惨な負け方だな』


『………うるせぇー』


見事なまでの山崎先生の圧勝。

ま、昔から涼はとことん将棋弱かったから負けて当たり前なんだけどな。



『もう俺、風呂入ったからシャワー浴びてくれば?

明日朝早いから早めに寝ようぜ』


そうだな、とだけ答え荷物を持って浴室に行く。


良かった。

何も探られなくて。


とりあえずあの告白は涼に黙っておこう。

じゃないとフラれたときにカッコがつかない。


……はぁ。

フラれたときなんて自分で言っておいてマジでフラれそうで怖い。

正直、奈々にいい返事をもらえる確率は



よくみても…30パーセントくらいだ










< 345 / 425 >

この作品をシェア

pagetop