職場内恋愛




「あ~あ、おっかしいなぁ~」


しばらく泣くと真は突然、立ち上がった。



「これじゃあ立場が逆転だよ。


いつも、あたしが奈々ちゃんを慰めるのに

今日は反対。


ヘンな感じ。」


真は泣いたあとの真っ赤な目で、いつものようにニヤッと笑う。



「たまにはいいんじゃない?

そういうときがあっても。」



「…………まあ、そうだね」


真はやっぱり真で。


さっきまで泣いていたのは真じゃなかったのかもしれない、
なんて思うくらいに元気になっていて。




「もう、大丈夫」

真は笑顔でそう言うと秘密の場所を出て行った。




でも、まさか、教室に戻って
たまたま見つけてしまった相原くんの姿を見て
涙していたなんて私は思ってもみなかった。



真…辛いときはちゃんと、言わなきゃダメだよ?

苦しいときは苦しい、って言わなきゃダメなんだよ?


お願いだから…1人で頑張ろうとしないで。








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