職場内恋愛

受験






それからというもの京地は日を追うごとに元気になっていった。

それと同時に成績もうなぎ登り。



『頑張ってんな、お前』


ある日の授業後。

秘密の場所で京地とこんな会話を交わした。



「でしょ?

失恋の傷は次の恋で癒える、って言うけどさ、そんな簡単に忘れられないじゃん。


だからあたし、勉強で癒すことにした」


『……なんだそれ』


思わず苦笑。

だって違う角度から今の言葉を捉えると


「まだ賢のこと、忘れられてないんだよね」

ってことだろ?


京地が男引きずるとか似合わない。



「せんせーさ、そこ、笑うところじゃないからね。

あたし、まだ夜泣けちゃうくらい引きずってるんだから」



『はっ?!そんなに?!』


もう別れてから3ヶ月は経ってるだろ?



「せんせーだって奈々ちゃんと別れたとき、そうだったでしょ?」



『……………………』


悔しいけど、否定はできない。



「ほら、ね。

だからせんせーに、笑う資格はないよ」


そう言った京地は俺を鼻で笑った。








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