職場内恋愛
『奈々、料理…苦手なんだろ?』
やっと笑いがおさまった優作さんは
絆創膏を私の人差し指に巻いて料理再開。
「あ…いや…できることは…できるんですけど…」
『無理しなくて大丈夫だから。
マイペースに…な?』
私は恥ずかしくて俯く。
めちゃくちゃ…恥ずかしいんですけど…
男の人のほうが料理できるってどうなの?
そ、そりゃあ今の時代、男の人が料理できることが少しずつ当たり前になってるけど…
でも、やっぱり女のプライドが…ね?
『気にしなくてもいいよ、奈々』
優作さんは私の心情を読みとってか、そんなことを言う。
「あ、はい」
返事をしたものの、
やっぱり…恥ずかしくて。
もっとちゃんとお母さんに料理教えてもらえばよかったなぁ…