憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
門をくぐってしばらく走る

所々に立つ街灯に監視カメラが光っている

「ねぇ・・ そのブライアンって何者?」

タクシーの窓から外を眺めながらハンナに聞くココ

「お金持ちって事じゃない? 」

興味がないのかハンナ自身も知らないらしい

その程度の知り合い?のパーティーに参加していいものか・・とココは思ったが、気付くとタクシーは止まり、ハンナに促されるままタクシーを降りた

ふたりが家の前まで歩いていくと、待ち構えていたかのように大きく扉が開いた

吹き抜けの玄関ホールに立つのは、見上げるほどのクリスマスツリー

その前に立ち

「ようこそ」

と微笑むのは今夜のホスト、ブライアン

アメフト部と聞いていたので、マッチョを想像していたのに、本当にアメフトしているのかってくらいスラリとしている

ふたりを笑顔で迎える様に

あ~なるほど・・ モテるわけだ・・

と実感するココ

小さい頃から"レディーファースト"を教え込まれているだけあって、ブライアンの仕草はとても自然なもので、ココとハンナは導かれるがままに家の奥へと進んでいった

ふたりは周りをキョロキョロと見渡しながら進んでいく



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