憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
「いや、まてまて・・・」

テーブルにグラスを置き、座りなおした潤也は賢治と向かい合う

「今、ココが自分で運転してくるって言ったか?」

「それがどうした?」

潤也をおかしそうに眺め、口元を緩めた賢治はグラスに口をつける

「どうしたって!! ちょっと待って? あのこ免許持ってるの? え?ちょっと待って、何歳でとれるんだっけ?」

ウロウロと落ち着きのない姫花

「16だろ? つーか、向こうでとったんだろ? こっちに来てからってまだ数日じゃねぇか・・」

と呆れる賢治

「え? 向こう? え? どこ?」

「は~ Seattleだろ?」

「え? あ、Seattleね・・ あ、うん・・」

動揺している姫花に

「大丈夫だろ? 姫花のときと同じ装甲車与えてっから」

賢治の言葉を聞き

「え? 装甲車? 何?」

全く理解してない姫花だったが

「装甲車・・ 懐かしいな」

と潤也は顔をほころばせた

「時間がなかったから、特別仕様でもなんでもねぇけどな」

と賢治

「なに? 元々持ってたわけ?」

「まさか・・ 」

「へぇ~ 居候に高い買い物だなぁ・・」

「いやいや・・ お姫様だからねぇ~」

姫花は大人しく潤也の隣に座り、賢治と潤也の会話の意味が理解できずにいると

“ガチャ・・”

何もしらない渦中の人物のご帰宅だった
< 198 / 202 >

この作品をシェア

pagetop