君のトナリ





「あ、そうだ。透ちゃん」


私の名を呼ぶ彼女。


「何?百合ちゃん」


波打つ髪を揺らしながら、笑顔で言う彼女。


「今度透ちゃんも比呂くんに教えてもらわない?」


心優しい彼女は、いつも赤点ぎりぎりな私を誘ってくれた。


一瞬どきっとしたが、いそいできみのことをみる。


きみは困ったような複雑そうな顔をしていた。


・・・迷惑だよね。


「ううん!大丈夫よ。」


きみの視線を感じながら答える。


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