【短】雨がやんだら





今にも消えてしまいそうなその声に

俺は思わず雫の腕を掴んだ。



なんだか雫が

消えてしまうような気がして。





その行動に

雫は驚き目を見開いたけど


にっこりと笑うと

腕を掴んだ俺の手を解き



小さなその手で俺のを包む。





「みんな傘に入ってるから

あたしになんて気付かないだ


濡れないようにって

自分のことでいっぱいじゃん?」



そう、俺に問うのとともに

小さく首を傾げた。







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