胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


抱き合ったまま、長い時間が過ぎた。




「…なぁ…お前との写メも消えちゃったなぁ…」


ポツリとそう言うと、大好きな笑顔で私を見た。


少し湿ったたっくんの腕の力が抜けてくる。



「そうだね…… これからちょっと不便だよ。」


「あぁ。今、気付いたけど…これからお前と電話できないじゃん。」


「メールもできないよぉ。気付くの遅いよ、たっくんってば!」



まだ目の周りが濡れているたっくんはすごく色っぽくて、素敵だった。


微笑み合った私達は、そっとキスをした。




「俺ってバカだよなぁ…」


「ふふふふ…ほんとに。でも嬉しいよ。」


「まぁ、昔は携帯なんてなかったわけだし…慣れるだろ。」


「新しい携帯買いにいこうよ。」


「ダメ。せっかく投げたんだからぁ。」





わかってた。



私も


たっくんも―――





携帯電話を投げたからと言って解決する問題じゃないこと。





そんな簡単なことじゃないこと


わかってた。




だけど…



たっくんの愛、大きいね。




伝わるよ。




たっくんの大きな愛が…




今、できるたっくんなりの


私への愛…






その愛を無駄にしちゃいけない。




乗り越えたい。




過去も全部受け入れて、


過去ごと愛したい。





< 279 / 498 >

この作品をシェア

pagetop