胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~



意識が戻るとすぐに精密検査。



私とまあちゃんは、お母さんを一人にできなくてずっとお母さんを挟んで座ってた。




病院はとても新しく綺麗で…


泣き叫ぶ子供の声が響いてた。



なかなか検査は終わらず、黙って壁の模様を眺めていた。


じっと見ていると、壁の模様が顔のように見えてくるのが不思議だった。


どれくらい時間がたったろう。


何も口にしていなかったせいか、お腹が鳴った。


どんな状況でも、お腹って減るんだね…ってまあが笑った。




ふと、病院の時計を見ると…



もう3時を回っていた。





お母さんをまあに任せて、私は病院の外に出た。



直に電話をかけた。



どうしても、たっくんに伝えて欲しかった。


プルルルルル…




あ、そうか。



今日は、先生が部活だから、昼からずっと教習所に行ってるんだっけ。




誰か、



伝えて。





私は



たっくんを選んだんだって…






行くつもりでいることを……





ねぇ、そこにいる猫ちゃん。



走って行って、伝えて…



赤い服着たお兄ちゃんに――




どんよりした空。


ぼやけた太陽が顔を見せてはすぐに隠す。











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