★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
すると、その瞬間…
―――パシッ!!
「おい、早紀!何してんだ!」
早紀さんが鈴の頬をビンタした。鈴はその勢いでよろけた。
とっさにお兄ちゃんが鈴を支える。
それでも構わず、早紀さんは鈴に詰め寄る。
「分かってる?誠二は私の恋人よ?」
「分かってます。でも、ずっと好きなんです。好きなのを止めるなんてできません。」
そんな修羅場を私と高原さんは、唖然として見ていた。
止めに入った方がいいのかも知れないけど、何だか私には入り込めない雰囲気が漂っていた。
でも、今はっきりと私は聞いてしまった。
鈴のお兄ちゃんに対する好きな気持ち。
と言うことは、鈴はお兄ちゃんに気持ちを伝えたんだ。
私は少しホッとしていた。
けど、それは一瞬。
だって、お兄ちゃんに気持ちを伝えたと同時に、今この状況ということは…
早紀さんに鈴の気持ちが知られてしまったんだということ。
一気に私の心配は、膨れ上がる。