★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



「えみチャンが、男の子と仲良く話してたからなぁ~…俺をほっといて。」



今度はちょっとふくれた顔。



「ごめんなさい、久しぶりに会ってしまって…それに…」



私何してるんだろ…せっかく高原さんがご飯に連れてきてくれたのに…。



「じゃあ…また今度、俺の新作…食べにきてくれるかな?」


「えっ…新作?」


「そう、秋の新作。」


「わぁ!秋の新作ですか!?」



すっかりスイーツの事でテンションがあがってしまった私。



そんな私を見て、



「えみチャン。」


「はい?」


「一番に食べに来て?」


「私がですか?」


「そう。俺の新作一番に。」


「はい!食べにいきます!一番に。」



私が元気いっぱいにそう答えると、高原さんは今度は、いつものキラキラ笑顔。



それからは、家につくまでの数分間は…その新作スイーツの話で、楽しかった。



でも、まだお兄ちゃんが帰ってないひとりの家に入ると…



思い出してしまった。



ゆらさんのお店で会ってしまった、



先輩の事を…。



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