★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
「ほぉ~。ところで、今日はどうしたんじゃ?」
ひとしきり笑ったおじいさんが言った。
すると高原さんは、まず自己紹介をした。
「僕、〇〇町の甘味屋で働いてる、
高原 大吾といいます。」
「はぁ。パティシエとかいうやつですねぇ?」
「はぃ。それで、今新しいお菓子を考えてて、花を使いたいと思ってるんです。でも、どこもお菓子に使えるようなものがなくて、困ってたんです。」
「花を使った菓子ですか!いいねぇ」
自分達の好きな花がお菓子に使われると聞いて、嬉しそうに笑う2人。
その2人に私は話を切り出した。
「それでね?ここのお花を分けてもらえないかなと思って。駄目かな~?」
「僕からもお願いします!」
私と高原さんで頭を下げてお願いした。
すると、2つ返事で…
「いいよ。うちのでよかったら。」
優しくニコニコしたまま、おじいさんとおばあさんはそう言ってくれた。
高原さんは、信じられないというような表情で…
「本当に分けてもらえるんですか?」
「えぇ。いいですよ。」
「うちの花は農薬なんかまったく使わずに育てたから、安心して使えるよ。」
「わぁ~ありがとうございます!やったな、えみチャン!」
「はい。」
高原さんのこんな嬉しそうな顔が見られて、私はもっと嬉しいです。