Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
昼休みが終わる前、花束と手提げの紙袋を持って校舎を出ようとした。



やべぇ!教頭と目が合った!!



教頭が俺に気付いて向かって来たから、靴を持ったまま慌てて逃げる。



何とか撒くことができた俺は、非常口から外に出…る寸前に腕を掴まれた。



嘘だろー!坂下ごときに捕まるのかよ!?



あーりーえーねー!!



坂下は意外に力が強く、振り解けなかった俺は空き部屋に引きずり込まれた。



「野田くん、授業を抜け出してまで、何処へ向かおうとしていたのですか?」



この教師、幽霊部員の名前なんかよく覚えてたな…。



坂下に、嘘は通用しないだろう。



翠子を誤解して傷つけたから、ちゃんと会って謝りたいことを話した。



「今日、絶対に会わなきゃダメなんだ!お願…。」



訴えかけたときに、坂下が指を自分の唇に当てた。



喋るなということらしい。



坂下が、1人で空き部屋を出た。



「坂下、この辺りで男子生徒を見なかったか?」



遠くから教頭の声が聞こえ、足音が近づいてきた。



俺は、坂下が出て行ったばかりのドアに張り付き、耳を澄ませた。



「先程、非常口から入ってきたのですが…、見ていません。」



「そうか、ところで非常口で何をしていたんだ?」



「ちょっと、一服…。」



「坂下、喫煙所以外では禁煙してくれないと困る。

それに、最近タバコの量が増えただろう?身体壊すぞ。」



「気を付けます。

それよりも、教頭先生は人を探していたのではありませんか?」



「そうだった、授業を抜け出した生徒がいるんだ。

坂下も、手伝ってくれるか?」



「分かりました、私はここで見張りをします。」



足音が遠ざかると、空き部屋のドアが開いた。



「今のうちです、早く行きなさい。」



まさか、教師の手引きで学校を抜け出すとは…。



俺は、自分の家族と花見、そして坂下にも感謝しながら、翠子のもとへ向かった。





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