すき、好き、もっとスキ。



バスに戻ってホテルまでの間は、
ガイドとしての仕事は何もない状態。


だから、考えたくない事ばっかりが頭に浮かんできちゃって。


初めは喜んだ璃久の学校のガイド。

奇跡だとか思って、すごーく嬉しくて。

だけど、こんなの奇跡でも何でもない。

今は璃久の学校のガイドに当たるなんて偶然なければ良かったのに……って思う。


そしたら、璃久がモテている事だって知らないままで済んだし。

怒られる事だって、目を逸らされる事だって。

こんな気持ちになる事なんてなかったのに。



ボーッと外を眺めながら、ちょっと泣きそうになる。



やっぱり高校生と、社会人って難しいのかな。


ううん、そうじゃなくて。

あたしと璃久が無理なのかな。


元々、無理なのはわかってたんだ。

それを無理矢理、必死に繋ぎとめてたのは、あたしで。


そういえば、璃久からちゃんとした言葉を貰った事ってないよね。

いつも何となくはぐらかされてたような感じだし。



あーーー!
駄目だ。



どんどんマイナスな考えになっちゃう。


仕事が忙しくて会えないあたしを都合よく思ってたのかな、とか。

実は学校に本命の彼女が居て、
あたしは煩いから付き合ってくれてる状態だったのかな、とか。



あたしの中の駄目な妄想が膨らんでいく一方だ。



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