すき、好き、もっとスキ。



……、あれ?



そう思ってギューッて抱きついたままなのに。

未だに璃久のお決まりのセリフは聞こえない。


それに、気付けば背中に璃久の腕が回ってない!?



「……璃久?」



回した腕の力を少し緩めて、そーっと顔をあげると。

そこには、ちょっと頬を赤くした璃久がそっぽ向いたまま視線だけをあたしに向けて



「もう……落ち着いたんか?」



なんてぶっきら棒な言い方。


その瞬間、ボボボ! と顔から煙が出たかのように恥ずかしくなっちゃって。

自分から抱きついたくせに、目の前にあった璃久の胸を突く飛ばしてしまった。



だ、だって!

変だよ。

絶対、璃久おかしいよ!



普段と違い過ぎる。

そんなキャラじゃないじゃん!!!



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