すき、好き、もっとスキ。



その後、俺が何回謝っても、
梢はスッキリせん態度ばっかりとりやがって。

言いたい事あるなら言わなわからんやろが。

いつもは黙っとけって言われてもベラベラ喋ってるくせに。


ほんま、ようわからん女。


やっと喋り出したかと思えば、
話は飛ぶし、順番は目茶苦茶やし。


でも、まぁ言いたい事はわかったけどな。



「……そんだけ?」



コクリと頷いた梢に



「あっそ」



そう言った声は上擦ってへんかったかな。

だって、そんな不器用な気持ちを俺も味わってん。


俺が梢の気持ちをわかるなんて……嬉しいんか哀しいんか。


梢がよく言ってる“恋”って面倒臭いもん過ぎる。


ひとつ間違えると、こんな事になって。

一言少ないと勘違いに変わって。

相手の捕らえ方ひとつで良くも悪くもなるねんから。



だけど、それが分かり合えた時。

今まで必要やったはずの言葉とかそんなんはいらんくなって。



傍におったら、それでえぇかって思ってまう不思議なもんやでな。



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