気づけば、あなたが
陽介は後ろの座席で熱にうなされていた杏を思い出していた。


熱のせいで頬が赤らんでいた顔。


でもそれが何故か、ドキッとさせられた。


車内のミラー越し。


俺って不謹慎だよな。



ベッドに寝ころんで天井を見つめていた。


メール!


あっ、でも俺、知らないんだ・・・メアド・・・。


今までアイツとは、何となく馴れ合いで特に気にもならなかった。


部活ですれ違っても
帰りに廊下で突っ立っていた時も


アイツはただのクラスメート。



気になる存在だったのに段々忘れてしまった。



でも、アイツは俺の事、どう思ってるんだ?



美波なら杏とつるんでるから、なんか情報が入んないか・・・。

やっぱダメだ!

そんなこと、聞いたら学校中の噂になるし、ここは慎重になんないとな。


陽介はどうしても今日の杏が、ずっと頭を離れずにいた。


携帯を見つめては、ジタバタしているようだった



俺ってホント、馬鹿。

陽介は寝返りをうった。
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