1Rの彼女
初めて触れた結子さんの唇。


温かくって、柔らかくって。
この唇で、俺を呼ぶ。
「タク」って。


麻薬のようだ。
一度知ってしまった快楽。
もう戻れない。


結子さんの唇が、愛しくて離したくない。


無理矢理、舌を押し入れる。
一方的に絡める舌。
結子さんからの答えはない…。



何分経ったんだろうか…。
いや、実際には秒単位か。


結子さんの口から、声が漏れる。

まるで現実に引き戻す、警告の鐘のよう。
虚しさと罪悪感が残る。


一体俺は、何やってんだよ。



結子さんが起きることは無かった。
その夜、俺はいつも結子さんが使っている布団で寝た。
結子さんの匂いのする…。

俺の心臓は静まることなく、時間だけが過ぎていった。








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