なくした記憶
ガシャン
バキッ
えっ一瞬で何も
あれ先生がいない

先生の変わりにあの人が立っていた

「…ハァハァ…おい大丈夫か」
両肩をつかんで来た

びっくりしたせいか
腰が抜け座り込み
涙が出てきた

「おい!」

「ウゥ…ウッ…んっ」
泣いていた私の唇がいきなり
塞がれた

「ンッ…ハァ…ン…」
長く甘いキスだった

「ン…ハァハァ…なんでこんなこと」

「何でって好きだからに決まってんじゃん
 他の男に獲られたくなかったから・・・
 い、嫌だったか?」


うれしすぎてまた泣いてしまった

「ごめん!!」

「ウゥウ…うれしいよぉ…ウッ」

私は抱きついて
今出せる一番の力で腕に力をいれた

ムク
何かが起き上がった
「お前、こんな事してただで済むと思うのか」

先生だ
殴られた頬をさすっている
「二人とも退学させてやるよ」

えっやだよそんなの
するとスッと彼が一歩でた



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