なくした記憶

想い

×とまり×



保健室、俺は保健室の臭いが嫌いだ

嗅いでいるとあの事を思い出す

それに、今はこの部屋に
俺、七瀬、秀がいる

七瀬は寝ている
気まずい空気

その空気を俺は裂いた

「お前、あの事、忘れてないよなぁ」

「あぁ、忘れるはずがない」

あの事、七年前のこと

「だったらなぜ七瀬や俺の前に現れた」

「たまたまだったんだ、本当に、まさか同じ高校に入るとは思ってなかったんだ」

世界は広い
広いからこそ

「それはしょうがない、だが、お前昨日七瀬に何をした」

「………」

言えないだろうな
言えるはずがない



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