高校生マフィア02
「何で?何でユウキちゃん?」

慧に聞くと、慧は首を振った

「いや…俺も不思議に思ってる。どうして花田の携帯が…」

「これはあれかな、学校内に敵が居るって事かな」
「俺等以外にもコッチ側に声かけられたって事か?」
「それに協力している…それか何か脅されて協力させられている…とか」

卓真がボソリと呟くと、続いて春樹も雪姫も口を開いた

「脅されて?誰に?何の目的で?」

あたしは疑問ばかりが出てきた

「そりゃ、きっと、俺達を良く思ってない連中だろうね。目的はよく分かんないけど…もしかしたら、同じ学校の生徒同士で潰し合いをさせるとか?何でか分かんないけど」

卓真は自信なさげにあたしの言葉に答えた

ほんとに、何で?

「…相手もこんなに簡単に正体を明かす程考え無しな事は無いと思う。まぁ、警戒は必要だな。もしかしたら後輩、友達…教員の中に俺達を狙っている奴が居ないとも言い切れない」

慧の言葉に、皆黙って頷いた
本当は、友達や先生を疑ったりしたくないんだけど…

「慧、このケータイの持ち主の女の子はどうするの?」

朱雀さんが尋ねると、慧は何秒か目を閉じて考え込んだ
そして、

「彼女は俺と卓真と同じクラスの生徒で、校内でも学力は常に上位。彼女が敵と関わりがあっても、そう簡単には尻尾を出さないでしょう。関係の無い生徒に被害が無い様、見張ります」

黒目に鋭い光を反射させて、言った



「どこまでが無関係でどこまでが敵かは、分かりませんが」
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