相合傘

トラウマな過去




次の日の朝。

俺は当たり前の様に2人分の食事を作っていた。
なんか、昨日の様子がああだったから、今日部屋に来るかは分からないけど…

とりあえずってとこ。

鍋にかけていた火を消した時、玄関のポストの中に何かが入れられた。
新聞紙は取っていないし、でも、そういう物が入れられた様な音でもなかった。

俺は玄関のポストから、それを手に取った。
銀色に光るそれは、俺の手の中でキラキラと輝いていた。



「…鍵……」



それが何処の部屋の鍵かなんて、いちいち考えなくてもすぐに見当がついた。
自分の部屋の鍵と照らし合わせてみれば、



ほら、ピッタリだ。



アキちゃんは俺にこれを返してきたって事は、もう俺の部屋に来ないということなんだろう。


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