相合傘



朝御飯を食べて、食器の片付けもしっかりした後。

クローゼットの中を覗いていると、ガチャリと玄関が開いた。
…出発時間まで、あと一時間ありますよー。

「ショウ、着替えた!?」
「見てのとーり」

毎日毎日、朝早くからメイクバッチリで俺の部屋にくるけれど、今日は特別メイクを頑張っている様だった。
なんか、いつもより可愛く見えるから……って、

だから相手は女ッ!!

半袖カーデの下にキャミソール、シフォンリボンのついた超ミニスカートを着こなしたアキちゃんは、俺のクローゼットの中を覗き込んできた。

「まだ寝間着ぃ~」
「いまから着替えるんです」

クローゼットの中の服をパラパラと捲り、俺はそこから、ボーダー半袖シャツに、デザインTシャツ、そしてジーパンを取り出した。
すると、アキちゃんはそれを元の場所へと直した。

「何直してんの!!」
「ダ~メ、今日は女の子の格好しよう?」
「えぇ!?ヤダよ、電車乗るんでしょ?」
「いいから!!」
「良くない」
「絶対にショウを守るから!!」

そう言って、アキちゃんはクローゼットの中からナチュラルなグラデーションが掛ったノースリーブのワンピースを取り出した。


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