相合傘



「おっはよ~、ショウ」

「…ぁ~、おはよ」

今日は午前中に講義が入ってる。
昨日、置いて帰ってしまった荷物を優奈ちゃんから受け取りながら、俺は大きな欠伸をした。

「ね、また今週末に合コン行かない?」

「え…」

…合コン、って言われても…



『男としてでも女としてでも合コンなんかに参加するんじゃねぇ!!』

『もう、あんな目に遭いたくねぇなら絶対に行くなよ』
 


…とか、言われたし…。
けど、別にアキラくんには関係無いし。
でも、もし昨日みたいになったらっていうのもあるし……

「…ショウ?」

「ん?あ、ああ、ゴメン。週末はちょっと用事あるんだ」

…本当は、無いケド。

「そっか。じゃ、また今度誘うね!」

そう言って優奈は笑うけど、当の俺は行く気ないし…。
アキラくんが何だのかんだの言うからではなくて、これは俺が決めたことで。
だって、やっぱりああいう勘違い男は合コンには付きモノだろ?
そういう勘違いしないヤツもいると思うけどさ。

勝手に家に連れ込もうとしたり、手ぇだしたり。
相手の了承も得ずにそんなことするって、アホかっつーの!

校内に入ってある角を曲がると、優奈は声を上げて手を振った。

「ジュン~!!」

「お、おはよう優奈。ショウも」

「…おはよ」

ひらひらと手を振るジュンの後ろ。
眉を寄せてちょっと難しい様な顔をしているソイツは……

アキラくんその人。

わぁ~…、同じ大学だったんだ…。
だから俺が風邪引いた時、優奈に連絡しなくても休んだことが知られてたんだ。
なんで今更、重要な事に気付くんだか。

驚いてアキラくんの顔を見ていると、ぱちんとぶつかる視線。
“アキちゃん”ならば、ニッコリと笑顔を向けてきてくれるのだろうけど、アキラくんは直ぐに視線を外して、ジュンに「もう行こう」と急かした。

そういう態度、ムカつく…。
なんて思うけど、アキラくんは何だか罰の悪そうな顔をしているわけで。

なんでそんな顔してんの?って、訊いたら返事くらいしてくれるかな。

…って、何考えてんだろ。


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