身長差15センチの関係 3

「お父さんとお母さんも心配してから、一緒に行こう」

それから、鈴璃より一歩前に出て暗闇の廊下に踏み出す。

「お姉ちゃん、暗いから気をつけてね」

義務感あふれる言葉。
今、鈴璃専用の守りとなった高志。

(……高志こそね)

そう言いかけるの押さえて、鈴璃は後をついていく。

ガーーンッ!!
また近くで雷が落ちる。

灯りが戻るのは、まだ先のよう。

鈴璃は、誰かの爪跡が残る高志の手を見つめ、自分の前へ前へ進んでいく背を追った。

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