それでも音が必要な私たち
カードキーを挿す。
すぐ前に現れるエレベーターを使い
最上階(っていっても7階)のKissスタヂオへ。
「おはよーございまーす。」
「おっ。16時03分!aoi相変わらず正確だねー。」
にやにやしてるのは川島
確かうちのお父さんと同い年だ。
「うざ!当たり前じゃん。毎日同じ道通ってきてるんだから。」
「まあそだな。」
「で今日は?」
「んと,トップは台風7号で,あとは昨日の火事とカッパ。」
「カッパ??」
「また目撃されたんだと。」
別にあたしがニュースを読むわけではない。
あたしに期待されているのは
ニュースキャスターに振られた際にいかにかわいらしく答えられるかだ。
「じゃ,カッパで。」