DEAR BLUE
『矛盾』

俺が矛なら

お前は盾

俺が攻撃するから

お前は守ってよ

俺が悪夢を切り裂くから

お前がそれを受け返してよ

俺の矛はもう折れそうなんだ

お前がいくら守ってくれていても

悪夢がまだ過ぎ去らないんだ

お前の名前すら呼べないんだ

お前の顔すら見れないんだ

だけどお前は全てを包み込んで

守ってくれているんだ

あの月のように

どんなに固い物でも

中身は薄っぺらく

どんなに強い者でも

実はすごくさみしがり屋で

どんなに辛くても

どんなに傷ついても

俺もお前もみんなも

世界中のみんなも

唯一の存在なのに

今日も何処かで

誰かの矛で

誰かが傷ついている

おかしいよね

それこそ真の矛盾だよね

ってお前は鼻唄まじりに言ったよ

唯一の存在ってなんだ?
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