アンバランスな恋心
「マコ姉、乗って」

光ちゃんがほほ笑んだ

私の大好きな顔だ

私は後部座席のドアを
開けると
乗り込んだ

ミニスカートが
座ったと同時に
ずり上がった

ついさっきまで
スカートの位置なんて
気にしてなかったのに

バックミラー越しに
光ちゃんと目が合うと
太ももが露わになったのが
恥ずかしく感じた

「相変わらずだね
マコ姉は……」

「服装のこと?」

「服装も」

「男子生徒には
ウケがいいのよ」

「だろうね」

光汰がくすくすと笑った

「ねえ、光汰……」

「あ、ごめん
スーちゃんのお姉さんの真琴さん
高校の教師なんだ」

『光汰』ってもう呼び捨てなんだ
私はセックスするときしか
呼んだことないのよ

ずるいわ

「すみれさんの……
綺麗なお姉さんですね

あ、私は片山 ここです
松川君とは同じ大学で…」

「初めまして
橘 真琴よ」

私は窓を見た

光汰の彼女と
話なんかしたくないわ

苛々するだけだもの

私の肌によくない
悪影響だわ
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