アンバランスな恋心
瑛ちゃんは
またソファに座ると
パンフレットを捲った

「どっか希望の場所は?」

「車の移動ができやすいところかな?」

光ちゃんが口を開く

私はダイニングテーブルに一番近い床に
腰をおろした

スーちゃんは
瑛ちゃんのとなりに
座った

光ちゃんとココさんは
窓側に並んで床に
座っていた

旅行の計画は
光ちゃんと瑛ちゃんの
話し合いで
どんどんと決まって行った


私は黙って
二人の会話を聞いていた

「おい、マコ
なんか飲み物」

瑛ちゃんが私に命令した
確かに
飲み物が何も出てなかった

年長者として
配慮が足りなかった

「兄貴の家なんだから
兄貴が用意しろよ」

立ち上がろうとした私に
光ちゃんが口を開いた

え?
光ちゃん、どうしたの?

瑛ちゃんにそんな口をきくなんて
光ちゃんらしくない

「ごめん
私、女なのに
配慮が足りなかったね」

私はそう言いながら
キッチンに向かった

「あ、私も
ごめん…」

スーちゃんが立ち上がった

「スミレはゆっくりしろ」

瑛ちゃんが
立ち上がろうとしたスーちゃんの
手を掴んだ

「大丈夫だから」

スーちゃんはキッチンに
歩いてきた
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