アンバランスな恋心

月曜の約束

駅のロータリーに光太郎の車が
入ってきた

カフェでアイスココアを
飲んでいた私の目に
光太郎の車が飛び込んでくる

黒の高級車が
ロータリーに停まると
私の携帯が振るえた

『ついたよ』

知ってるわ
貴方が見えているもの

私はカップをテーブルに放置したまま
カフェを後にする

昨日買ったばかりの服で
光太郎の車に乗り込んだ

「今日は早いのね」

「真琴のために
仕事を早く切り上げたんだ」

「そう、嬉しいわ」

待っている時間が少なければ
余計な考えが
私の脳を邪魔しないから

早く来てもらって良かった

でも今日は
ホテルには行きたくない

裸になりたくないの

光ちゃんのキスマークが
残っている体は
誰にも見られたくないの

「今日はどうする?」

「食事して、映画でも見る?」

「え?」

光太郎が驚いた顔をした

「何か変かしら?」

「だって」

「ホテルって言わないから?」

「ん、まあ、ね」

「そういう日だってあるわ」

「生理?」

「違うわ」

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