~不思議の国のアリス~



メルヘンな風景をバックにキティが私の目の前で手をヒラヒラ振っている。あまりの自分の痛さにネガティブ思考をしていたようだ。慌てて笑い返した。




「ちょ、ちょっとびっくりし過ぎただけよ…」



自分の思考回路にね…


口には出さないネガティブ言語。



私がそんなことを思っているのも知らず、キティはニコッと笑いながら私の手を引っ張った。



「ようこそ、お姉さん。〈ハート国〉へ」



〈ハート国〉…、名前まで何てメルヘンな…。




そんなことを思っているうちにキティはドンドン進んでいく。森の気配もない街中に出た。意外にもにも活気があり賑やかな街道をスタスタと歩いていく。周りにキティ以外に猫耳の人がいない事に安堵する。



私の頭、そこまで痛くはなかった…




本っっっ当に安堵した。


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