婆ちゃんの恋物語
恋い焦がれるとか、ようわからんけど、小説で、読んでも、流し読みでしてん。
今、そんな歌や小説、読んだら、胸の奥に響く気がしてるんよ。」
路地を歩いて行く、昭雄さんを見送りながら、呟いてたんや。
「若い人は、よろしいな。なんや、先が明るく思えますなあ。」
母は、遠ざかる、昭雄さんを見ながら、私の肩に手を置いて言いはった。
横に、立ってる千代ちゃんが、幼子のように、お母さんの袖を握ってる。
何時か、千代ちゃんとまた、今日の話、出来る日も来るやろうと、千代ちゃんの手を握ってたわ。
7月に入って、一度目の空襲は、10日。
もう、ほんま、我が家も貯蔵してた。
食べ物も底つき始め。周りの近所の人も、家を焼かれ、飢えて、何でも口にしてましたわ。
私は、女学校にまだ、動員されて、なんや、何も感じひんロボットみたいに、包帯の交換やら、遺体の荼毘の係りを、黙ってこなしてましてん。
「良かった、無事やったあ。」
泥だらけの見て直ぐに、昭雄さんやて。わかったけど、びっくりして、声が、出なかったわ。
「お家、どないしましたん。」
「半焼の家が雨で、崩れそうになって、その上に、昨日の空襲や、支えの柱やらを、年寄りと打ち込んだりで、
やっと、家を出れましてん。
キミさんのお家よってきましてんで。
どうもなくて、ほんま、良かった。」
夕暮れで、明かりは、荼毘の火だけ、
周りに人気が無くなって来てました。
今、そんな歌や小説、読んだら、胸の奥に響く気がしてるんよ。」
路地を歩いて行く、昭雄さんを見送りながら、呟いてたんや。
「若い人は、よろしいな。なんや、先が明るく思えますなあ。」
母は、遠ざかる、昭雄さんを見ながら、私の肩に手を置いて言いはった。
横に、立ってる千代ちゃんが、幼子のように、お母さんの袖を握ってる。
何時か、千代ちゃんとまた、今日の話、出来る日も来るやろうと、千代ちゃんの手を握ってたわ。
7月に入って、一度目の空襲は、10日。
もう、ほんま、我が家も貯蔵してた。
食べ物も底つき始め。周りの近所の人も、家を焼かれ、飢えて、何でも口にしてましたわ。
私は、女学校にまだ、動員されて、なんや、何も感じひんロボットみたいに、包帯の交換やら、遺体の荼毘の係りを、黙ってこなしてましてん。
「良かった、無事やったあ。」
泥だらけの見て直ぐに、昭雄さんやて。わかったけど、びっくりして、声が、出なかったわ。
「お家、どないしましたん。」
「半焼の家が雨で、崩れそうになって、その上に、昨日の空襲や、支えの柱やらを、年寄りと打ち込んだりで、
やっと、家を出れましてん。
キミさんのお家よってきましてんで。
どうもなくて、ほんま、良かった。」
夕暮れで、明かりは、荼毘の火だけ、
周りに人気が無くなって来てました。