ふたりのり



…うん……嘘



全部嘘

最初っから最後まで



あんなの見たくなかったし


誰かがあの二人を見てるのも嫌だった



意識したくなかった

田上が、やっぱり由真ちゃんを好きってこと


私のことなんて気づいてないってこと




私の声が届かないことなんて、知りたくなかった



みんなの好奇な目もいや


あんな有名になるなんて、いや


あんなに知られなくていい

私だけが見てればいい

私だけが知ってればいい






どうせこのわがままも、誰にも届かない



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