イケメン☆パーティー


10月も半ばを過ぎる頃――


秋山さんがやっていた仕事はグループ内のメンバーで引き継いだので、各自が以前よりも忙しくなった。

舜とも仕事中に無駄口をたたきあう暇もなく、もちろんデートもしていない。

舜が美沙子さんとどうなっているのかちょっと興味はあったけど、あたし自身も連日の残業と休日出勤とで、体力気力ともに余裕がなかった。


夜遅くまで残業して家に帰り、コンビニ弁当で夕飯を済ませてお風呂からあがると、もう12時。

土曜は休日出勤で、日曜はたまった洗濯や部屋の掃除、食料品の買いだめで1日が終わる。

10月に入ってからずっと、そんな日々の繰り返しだった。



「あ、水野さん……」


あたしはエレベーターホールの前で、外回りに行くらしい水野さんの後ろ姿を見つけ、こっそりため息をついた。


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