イケメン☆パーティー
16.別れ☆再出発
9月最後の日。
あたしは秋山さんに一緒には行けないと返事した。
秋山さんはうすうす覚悟していたようで、穏やかにあたしの返事を受け入れてくれた。
「そうか、わかった。
まさかこんなに突然転勤になるとは思わなかったからな。
転勤にならなきゃ、もっとゆっくりかりんと親しくなっていけたかもしれないけど。
まあ、それも含めて、俺たちは縁がなかったってことなんだろう。
潔く諦めるよ。
かりん、元気でな」
「はい。秋山さんも」
あたしはここで泣いちゃダメだと必死で涙をこらえた。
振ったあたしが泣くのは、反則だよね。
でも、切なくて、悲しくて、申し訳なくて、別れがつらくて仕方なかった。
愛してはいなかったけど、秋山さんには返しきれない恩がある。
秋山さんには、あたしなんかよりもっとずっと素敵な女性と幸せになって欲しい、心からそう思った。
そうして、秋山さんは大阪へ旅立って行った。