イケメン☆パーティー

「「あの」」


あたしがかけた声と、水野さんの声が重なった。

「あ、レディーファースト、お先にどうぞ」

水野さんに促されて、あたしは思い切って言った。

「もし入賞できたら、お祝いしてくれますか?」

水野さんは一瞬あっけに取られたようだったけど、すぐに笑顔で請合ってくれた。

「ああ、もちろん」

「ありがとうございます。楽しみにしています」


もし、入賞できたら、そのときには……


「あ、水野さんのお話は?」

あたしが聞くと、水野さんは、あれ?といった表情でつぶやいた。

「なんだったっけ?忘れちゃったな。
たぶんたいしたことじゃなかったんだと思う。
もし思い出したら言うよ」

照れ笑いしながら水野さんはそう答えた。

水野さん、お茶目だなあ。

あたし達は顔を見合わせて笑った。


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