あの音が聞きたくて
「さあ、リオン、こっちにいらっしゃい!」

コップが割れる音を聞き、
かけつけた良子がリオンを抱き抱えた。

「お議母さん、ちょっとすいません。
リオンを向こうにやっといてください。」

「ダー、アーアー!」

泣き叫ぶリオンを必死で押さえ付ける。

彼の中で音に対するストレスが
とてつもなく大きくなっている。

(このままでは、いつか大怪我をしてしまう。)

麻衣の中に新しい恐怖が一つうまれた。
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