さくら
暗がりを走る

誰かに気付かれぬよう

雨音と夜風に紛れて


僕の懐でちいさく硬くなった彼女を連れてひた走る


走る振動で彼女が崩れてしまわないように

降りしきる雨で彼女が湿ってしまわないように


身を屈めて。

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