人間ペットショップ
さち達は、以前のように客間に通され、数分間待たされていた。


さちは、背筋を正し、臨戦態勢といった感じだったが、タカユキは顔を伏せ、床をジッと見ていた。

「ちょっと…どうしたのよ、シャキッてしてよ。」

そんな彼を見て、さちは小声で言った。
「………はぁ…」
タカユキはため息を吐くと、気だるそうに背筋を正した。

さちは、彼の態度に疑問を持ったが、その時、扉が開き、、忠正と文恵が部屋に入ってきた。
…さぁ、行くわよ


さちは挑むような目で両親を見た。


その隣でタカユキは曇った目でさちの横顔を見ていた。
< 42 / 56 >

この作品をシェア

pagetop