運命のヒト
午後の授業中。

俺は席に着き、ずっと水嶋を見つめていた。

そんな俺に気付いたのか、水嶋は前を指差す。


前を見とけってことか?

んなこと出来るかよ・・・。


休み時間には、二人で外に出た。

「寒~い!!」

そう言う水嶋を見て、俺はただ笑ってた。


「下駄箱行こうよ!!」

水嶋がそう言って、下駄箱に向かった。

そこでまたくだらねぇ話をした。


俺が最近、ケンカをしなくなっただとか、もし、俺がケンカしてたら水嶋が止めてくれるだとか・・・。

俺達は、さっきからずっと笑いっぱなしだ。


帰りはどちらが何も言わなくても、一緒に帰ることになっていた。

付き合った途端、こんなんって不思議だな。

俺らは健二に別れを告げて、帰ることにした。


「ゆぅ君の手、おっきいね!」

繋いだ手を見てそう言われた。

「水嶋が小さすぎなんだよ」

本気で小っせぇ・・・。


ジィ~っと顔を見られていると思ったら、こんなことを聞かれた。

「ゆぅ君、もしかして髪切った?」

「・・昨日な・・・」

今頃、気付いたのかよと思った。

俺の頭を触る水嶋。

「なんか、サルみたい・・・」

「はぁ・・・?」

「だって、すごいサルっぽい!!」

「うるせぇよ・・・。
 水嶋は髪伸びたよな~。
 俺、そっちの方が好きだな~」


水嶋の家の近くまで一緒に帰った。

いろんな話をした。


これからもこんな毎日が続くんだと思ったら、嬉しくてしょうがない。

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