運命のヒト

別々の道

・・疲れた・・・。


仕事は好きやけど、毎日毎日重労働。

体を使うことには慣れてるし、そんな疲れない。

どっちかっていうと、人付き合いに疲れた。


人に気を遣ったことなんて今まで一度もなかったし、敬語なんて俺には必要なかった。


頭は自分で丸めた。

楽っていう理由もあるけど、いろんなことにけじめをつけるために。


俺は早く一人前になりたいから。

ってか、ならないといけねぇんだ。


ベッドに横になり、ボロボロになった一冊の本を手に取った。


パラパラとめくっていき、あるページで手を止めた。


『俺の中学3年間はすげぇ~楽しかった。
 俺には大切なダチと大切な人がおる。
 これからもずっと大切にしたい。
 この気持ちはずっと変わりません』


本当に楽しかった。

あの時が、人生の中で一番幸せだった。


そして、俺は何ページかページをめくった。


『私の3年間はいろんなことがありました。
 嬉しいこと、悲しいこと、楽しいこと、
 苦しいこと・・・・・・・・・・・・・・


悲しいこと・・・苦しいこと・・・・・。

それは全部、おれのせい・・・。


俺があいつにそんな想いをさせてしまった。


・・・・・・・・それから、私は3年になってから
 すごく仲がよくなった人達がいます。
 いっぱい傷付けてしまったけど、
 短い間だったけど・・・
 一緒にいれて楽しかったよ。・・・・・・・』



何度この文集を目にしただろう。



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