風使いアシュレイ
あの戦いから三百年たった…
今のグルフィートは空は青く…鳥はさえずり…森は音楽を奏で…川には魚が跳びはねた…
暗い時代とは終わりをつげ…人々は戦争があったことも…かつて…魔族がいたことも忘れていた

魔族を封印した勇者は四つに散らばり…
地の勇者は…種族を守り
火の勇者は…魔力を守り
水の勇者は…聖女を守り
風の勇者は…魔王の封印を守った

ここは風の国…
かつてここには聖都があり…魔王および魔族はこの地に封印された…のである


「シーザー様!!兄さん!!さがしてたんですよ!!」
向こうからクロウと瓜二つの少年が走ってきた…
「マスクウェル!一人でこんな所に来たのか!?」
「兄さん…いつまで子供扱いしてるんです??」
少年はむっと膨れる…
「ははは!!…この森にはエルフが住んでいるから…たぶらかされるぞ」
「シーザー様まで!!大丈夫ですよ…俺は強いですから…シーザー様の方が心配です!!女に慣れてらっしゃらないから!!」
「このクソガキ!!」
「まったく…シーザー様…あなたはいつまでたっても……ふふっ…」

三人は親が違えど兄弟のように仲がよかった…
権力などにも興味はなく…
ただ今の暮らしがあれば幸せだった…
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