オリジナル・レイズ

連絡を受けた翌日、
俺は授業を終えてすぐに病院へ向かった。

もう夜遅くに病院へ行くことも、夜遅くまで部活動に付き合うこともないんだな。


…実感が湧かない。




昨日来た時と同じ、マスクとガウンを着用し、手を消毒する。


あの簡易カーテンの向こうに、高遠が横たわっているベッドがある。

俺は前回、高遠の顔は見ていないから、前回に比べてどれだけ良くなっているのかはわからない。



面会前に一度医師と会った。


「ゆうべは夜遅くに電話して、申し訳ありません。あまりにも奇跡的な回復ですので、早くお知らせしたかったものですから」



高遠は、ナイフで手首を切って運ばれた日、彼女が海で言った言葉そのままの状態だった。

たくさんの管や機械に囲まれ、ビニールカーテンで隔離されて…



それでも確かに、



高遠は俺に気づいて微笑んだ。



確実に回復している。


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