Automatic Dream
スリーパー
いわゆる不法侵入と呼ばれる犯罪行為を誰にも見られる事無く無事ミッションコンプリート。侵入後、薄暗い校舎の中を何となく散策し、不気味な様な神秘的な様な気分を存分に堪能した後、やはり何もする事が無くなり仕方なく自分所属の教室へと足を向けた。

窓側から2列目、前から2番目と言う微妙、と言うか最悪な位置に座席を構える俺は、その机の横に学生鞄を置き、さてデカい方の鞄はどこに置くか。

まぁとりあえず机の上に置くっきゃねぇか。机の上からはみ出るサイズのデカい鞄と共に席につく俺。そして俺は任務を次のフェイズへとシフトさせ、行動を開始することにした。

すなわち暇潰しだ。要は退屈、ヒマだったのだ。

誰も居無い校舎で一人ボーッとしている訳にも、と言うかそんなのに耐えられるほど俺の精神構造は丈夫ではないので、早急にヒマを潰すプランを立てねば。そこで右ポケットから、某ネコ型ロボットよろしく取り出したるは、現代社会を生きる若者の最大の味方、携帯電話。こいつを使えば何時間だって時間を……ナンテコッタイ、充電ガモウナイヨ。

絶望だな、唯一の暇潰しだったのだが。ヒマだ……。一人漂流教室のような気分だぞ。

寝れば暇は潰せるだろうが、残念な事に眠くない。

イヤしかし、睡眠時間はおよそ1時間半、心はともかく身は眠いはず。このデカい鞄も抱き枕的なものとして使えば、意外と寝心地も……おおぅ、悪くない。

机に突っ伏すような感じで寝るのは慣れたもので、この技術において俺の右に出る者は、少なくとも俺所属の学校には居ない。何せ、今まで一度だってばれて無いからな。人は呼ぶよ、俺を神と。居眠りの神。つい最近も、弟子を二人程………。

……うん、やっぱり眠いや。寝よ。



< 15 / 71 >

この作品をシェア

pagetop