想い日和 <短>
Prologue



――2月12日

曇りのち曇り。



空は、蛍光灯の下にいても、薄暗さがわかるくらいの雲で覆われて

イマイチ冴えない私の気持ちみたいに、隙間なく一面の青を埋めていた。




遥か高くの存在。

吸い込まれそうな威力。


背伸びしたって届かない場所。



だけど、空高く頭上にかざした掌は、この灰の色した雲を

いとも容易く、引き寄せてしまえそうな気もした。





ジメジメする。

空気もよどんでる。



……なんだか予感がするな。




あぁ――

明日は……雨、かな?





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