犬神さまのお嫁さま
 握った机の脚を持ち上げ空中で上下を持ち替える。

 机の天板部分が下に、逆さ状態。


 その光景に次に起こる事を察知した犬神の顔から血の気がサーっと引いた。



 「ちょ…っ!ま、待て!!それは勘弁―――」

 「勘弁するかこの色情狂ーーー!!!」



 私は逆さにした机を犬神の頭上目掛けて力いっぱい振り下ろした。

 鈍い音が聞こえたような気がしたが怒りと悔しさと恥ずかしさでそれどころじゃない。
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